関西国際空港旅客ターミナル/レンゾ・ピアノ+岡部憲明

Kansai International Airport Terminal 1994 / Renzo Piano Contemporary Architecture
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泉州沖の人口島に建設された24時間営業の完全海上空港。
伊丹空港との経営統合やハブ空港化、そして埋立地の地盤沈下など多くの問題を抱えるが、連絡橋を含め世界的な建設・建築的評価は高く、20世紀の10大プロジェクトにも選ばれている。
主要建造物のターミナルビル(PTB)の設計は国際コンペで選出されたレンゾ・ピアノワークショップジャパンが務めた。

建物はゆるやかに弧を描く大屋根が1階から4階までを包み込む。
エントランス側の4層吹き抜けのキャニオンは、自然光がほのかにそそぐ植物園のような空間。見た目の豊かさとは裏腹に幹と枝葉を分けるような非常にシンプルな動線でスムーズな移動が可能。
テフロン製の白いエアーダクトが曲線の構造を視覚的に強調している

パステルカラーでまとめられた館内にトラス屋根からの光が漏れる吹き抜け空間「キャニオン」

国際線ロビー (cc) Andy Heather

外部の車寄せにも白い帆をかけ、統一感を生んでいる
力強いトラス
レンゾ・ピアノ氏の建築構造の美しさを間近で感じることの出来る4階部分とエアサイドは、ステンレス屋根とそれを支える鉄骨トラスや、その間に配され間接照明の反射板の役割も果たす、テフロン製の白い帆(エアーダクト)と青く塗られた噴出し口、そして建物の短手を緩やかに収束させるかのような曲率が大きいドーム型無柱空間の出発ロビーへと、構造美だけではなく人体内部にいるかのような有機的に構成された空間であるように感じた。

国内では関空の抱える諸問題や、「埋め立て空港」という建設プロジェクト的な側面により注目されにくいが、海外からの観光客が一番最初に訪れる大阪を代表するシンボルである。
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公開日: 2010/5/4 撮影: 2010/5

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