
EXPO2025 アゼルバイジャンパビリオン
Azerbaijan pavilion
外観の美しさに目を奪われるアゼルバイジャン館。連続する七つのアーチをくぐりながら、叙事詩『七つの美(Seven Beauties)』に着想した物語世界へ来場者を誘う。建築・展示デザインはBellprat PartnerとELEVEN。


アゼルバイジャン館一番の見所、幾何学模様のアーチが連続するエントランスへもアプローチ。
建物は、伝統のステンド格子「シェベケ」の幾何学を抽象化した白い金属製の格子スクリーンで全体を包む。格子は光と風をほどよく通し、時刻によって表情を変える。格子越しの影と内部の陰影が重なって生むコントラストが美しく、近づくほど“織り”のリズムが立ち上がる。



落ちた格子影が躯体の面をなぞり、空間に奥行きを与える。
館内には“Seven Beauties”の像や没入型演出、香りや音を重ねた展示が用意され、文化遺産から未来志向のサステナビリティまでを一続きに見せる。ショップとレストランも併設され、短時間でも建築と物語の核に触れられる構成。
イスラム建築様式の幾何学文様をまとったアゼルバイジャン館は周囲の空気を変えるほどの存在感を放つ。とりわけ、リングの向こうに同館だけが抜けて見える位置に立つと、リングをくぐれば異国へ繋がっていそうな不思議な高揚感に駆られる建築だった。

大屋根リングの手前からアゼルバイジャン館を眺める。
PAGE INFO
公開日: 2025/9/16
撮影: 2025/4,5,8
作成者: Hiromitsu Morimoto