
ウズベキスタンパビリオン/アトリエ・ブリュックナー
Uzbekistan Pavilion - ATELIER BRUCKNER
大屋根リング西側に隣接するウズベキスタン館。
「知識の庭 - 未来社会のための実験室」をテーマに、ウズベキスタンの豊かな歴史や科学、革新、変革に関するインスタレーションを展示。
建築は木材、粘土、レンガ、砂利、土といったウズベキスタンの伝統に根ざした自然素材を再解釈し構築された。
1階部分は日本各地から集められた再生レンガで覆われた土台となり、そこから上へ向かって伸びる木々が森のような空間を形づくる。
屋外テラスには近郊から調達された280本の杉の木が列柱を成し、まるで木の神殿のような佇まいを見せる。伝統的な寺院や宮殿建築を思い起こさせる造形。



高さ約8メートルの杉の柱が林立するテラス。土台の上に柱が並ぶ姿はパルテノンを彷彿とさせる。


屋根は三角形モジュールの梁が複数層に重ねられ、三角形の敷地いっぱいに展開している。


デザインの着想を得たのは、世界文化遺産に登録されているヒヴァの旧市街「イチャン・カラ」と「ジュマ(金曜)・モスク」。 (cc)ほっきー © Photo AC
1階のギャラリーの先、パビリオンの中心には、360度のマルチメディアプロジェクションに囲まれた円形の展示室があり、万華鏡のようなアニメーションとサウンドスケープを体感。
詳細は伏せるがこの展示室から2階テラスへ至る動線がユニークで、非常に印象的な体験になった。

約3分間の美しい映像と音楽が終了すると展示室入口の扉が開く。


ナダ・デブス氏 (Nada Debs) が制作した手作りの陶器製スツール。青の釉薬が美しい。

青の都サマルカンドを思い起こさせる、鮮やかなタイルで覆われたショップ。
ウズベキスタン館の展示内容は、同国に強い関心を持つ人でなければ刺さらない部分が多いかもしれない。しかし、建築的見どころや、屋外テラスへの大掛かりなアクセスを実現したアイデアと技術など、思いもかけない知見を得られるパビリオンだった。
PAGE INFO
公開日: 2025/6/7
撮影: 2025/6 | 2025/5 | 2025/4
作成者: Hiromitsu Morimoto