
EXPO2025 スペインパビリオン
Spain Pavilion
大屋根リング北側の動線に開いた"街の広場"として計画されたスペイン館。
黒潮を象徴とする「海」と「太陽」をテーマに、スペインの大航海時代から現代に至るまでの海洋文化を表現。
建物は風景を志向するオープンな構成。大階段上部に半円の開口が設けられ、奥の大型プロジェクションからこぼれる光が沈む太陽のように浮かび上がる。段上の青いライティングと開口下部を染める赤の光が呼応し、地中海に沈む夕景を思い起こさせる。
外壁はスペイン産の陶磁タイルで構成され、青系の6色を用いた階段状のファサードが特徴的。光の加減によって表情を変える外装は、海のゆらぎや潮流を思わせ、建築そのものが巨大なインスタレーションのように機能している。


地中海に沈む夕日が水面を照らすような風景をつくりだす。
展示は4つのシーンで構成される。内部の中心空間「Plaza del Sol(太陽の広場)」には、幅20m・高さ10mにおよぶLEDウォールが設けられ、映像と光によって太陽のエネルギーを表現する。来場者は光に包まれた没入体験を通じて、スペイン文化の陽光と情熱を五感で感じ取ることができる。



印象的なオレンジの空間。観光と創造性をポストカード的映像で照らす「スペインからの挨拶」、17の自治州の多様性を紹介する「多様なスペイン」。
レストラン・カフェはエグジット側に集約され、シーフードを中心にした飲食とカクテルバー、日替わりのパフォーマンスが広場と呼応する。


フラメンコショーが人気の屋内ステージのほかにも、さまざまなパフォーマンスが繰り広げられる。
スペイン館は海と太陽をモチーフにした建築表現を通じて、持続可能な未来社会へのメッセージを発信している。来場者は建築的スケールと演出的体験の双方から、スペインが描く未来像に触れることができる。
PAGE INFO
公開日: 2025/8/17
撮影: 2025/4,5,8
作成者: Hiromitsu Morimoto