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EXPO2025 ポーランドパビリオン

Poland Pavilion - Interplay Architects
Poland Pavilion 2025 EXPO2025
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木組みの曲面とアーチが重なり合う螺旋構成で、創造性の「波」を建築に翻訳したポーランド館は、屋外の小催事場の催しや人気のショパンコンサート、レストランまで揃う多彩なパビリオン。
設計はアリツィア・クビツカ氏とボルハ・マルティネス氏によるポーランドの建築家ユニット、インタープレイアーキテクツ。

伝統技法を参照した木組み工法により、見付の細い部材が軽やかな陰影を生む。木材は日本国内で調達し、地域調達によって持続可能性を高めている。
外装は木製ルーバーと木組みのディテールを前面に据え、やわらかな木肌と陰影が時間帯によって表情を変えつつ周辺環境に溶け込む。
建築は過度なスケールを避け、人と人の関係を包む器として計画。木材の採用は省資材化と更新を容易にし、展示改修やイベントへの即応性も担保する。
構造は木造を主体とし、曲面壁とアーチが織りなす螺旋で最小限の部材による大きな包絡空間を実現。軽量化と資材削減に寄与している。

木組みの陰影が美しい。

内部の展示空間へは、外周の回廊状空間から連続して螺旋動線に入り、入口から終端ホールまで一方向で巡る。滞留を抑えつつ抜けのある視界を確保し、無柱に近い展示空間が連続的な動線と視体験を支える。外部テラスや前庭ともシームレスに接続し、列整理やイベントに柔軟に対応できる外部場を確保する。
内装は木質と鏡面を交互に配し、面積以上の奥行きを感じさせる。反射と音響を制御して、映像・光・音楽と建築の関係を調律。螺旋中心へ進むほど展示密度を高め、歩くことそのものが物語への参加体験になる。

内部は導線、展示室ともに螺旋状に配置される。
ポーランドの自然・文化・技術を紹介する多彩な展示。ショパンコンサートも人気。

螺旋状の開口部は、展示室・レストラン・ショップの各入口として明快に分節され、外部動線上には小規模な催事に対応する余白を設けている。角地の立地を活かして自然光を豊かに取り込み、木組みの陰影がその光をいっそう印象深いものにする。コンパクトながら、機能分けと動線計画が凝縮された完成度の高いパビリオンだった。

PAGE INFO
公開日: 2025/10/14 撮影: 2025/4,5,6,9,10

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