CONNECT

EXPO2025 タイパビリオン/Architects 49

Thailand Pavilion - Architects 49
Thailand Pavilion 2025 - A49 EXPO2025
+

建物のボリュームを得づらい間口の狭い敷地において、切妻屋根の片側を反射壁で鏡写しにし、仏教建築に通じる左右対称の正面性を視覚的に成立させたタイパビリオン「VIMANA THAI」。

建物は、反射壁を用いた視覚効果により、切妻の大屋根が2倍のボリュームに映る。
来場者や前庭の植栽やオブジェの映り込みも画として取り込み、鏡の向こうの虚像の揺らぎが幻想的。
正面部は床から軒天までの全高ガラスで下層の実体感を抑え、深い軒の出によって、切妻の大屋根を主役として強く印象づけている。

切妻屋根の深い軒。側面にはベンチが置かれ縁側のような空間になっている。
正面のガラス窓。枠見付を細く抑え、視線と反射の連続性を優先する割付。
屋根部分。伝統寺院の瓦の重なりを想起させるが、瓦ではなくプレファブ化した金属屋根と約3,500枚の装飾パネルによって大屋根を構成。

展示は「Immunity(免疫)」を軸に、導入部で思いやりと暮らしの知恵を提示し、中核部で医療連携・施設・食・実験的プロダクトを重層化、終章では笑顔の記憶を集め、微笑みの国・タイを可視化した。

「免疫力」がテーマの館内。伝統行事や食文化から、自然資源、生活様式を元にした医療や公衆衛生、健康に対する取り組みを中心に構成。世界的に人気の高いタイ料理は地方ごとの特色まで紹介されている。

タイパビリオンは大屋根リングから全景を捉えやすい立地を生かし、反射壁の鏡写しで左右対称の正面性を演出。この大胆なアイデアと切妻屋根を主役化した外観が来場者の関心を惹き、料理・観光以外のタイの強みへと誘導する役割を果たした。

PAGE INFO
公開日: 2025/10/19 撮影: 2025/4,5,8,9,10

作成者: