
EXPO2025 バーレーンパビリオン/リナ・ゴットメ
ペルシャ湾に浮かぶ33の島からなる海洋交通の要衝「バーレーン」のナショナルパビリオン。テーマは"海をつなぐ - 五感で巡る旅"
地政学上の特徴を活かし、古くから海上貿易の盛んな同国の伝統的な帆船"ダウ船"の製造技術と、日本の木造技術を組み合わせ、船をモチーフに建築された。
設計はレバノン出身の女性建築家、リナ・ゴットメ氏。
建物は日本の一般的な住宅にも用いられる木造軸組構造と半透過の白い膜を組み合わせた行灯のような形態で、どこか無国籍な印象を受ける。
数千もの杉材の木組みにより、リズミカルな曲線を描く側面のデザインは、予備知識がなくてもパビリオンへの関心を引くインパクトが有る。



内部に入ると来訪者を迎える大きな吹き抜けに映像が投影される内装デザイン。
展示フロア間の垂直的な繋がりを生み出すこの大きなアトリウムは、天井の開口部から柔らかな光を取り込む。
アトリウムの周囲が展示空間になっており、バーレーンの歴史・文化の紹介や真珠産業・船造りの工具など、「五感で楽しむ」のテーマ通り、国立博物館の所蔵物を含め全ての展示物に触れることができる。



持続可能性にも力を入れており、コンクリートの基礎を用いずに最小限の支柱により建物を支え、万博終了後に木材やアルミは再利用される計画。
また、自然換気とパッシブクーリングシステムにより、省エネルギーで室内を快適に保つなど、環境配慮に特化したパビリオン。
日本と同じ島国として発展してきたバーレーンのパビリオンを、二国の伝統的な技術を融合させた建築は、元々、考古学志望だったゴットメ氏らしい計画。
展示も小規模ながら、本万博で多用される映像体験ではなく、視て、聴いて、嗅って、触れて、味わうを存分に楽しむことのできるパビリオンだった。
以下、味覚を楽しむレストランメニュー。

ティッカローストビーフサンド
ブラックライムで味付けしたバーレーン風ローストビーフを、デーツマヨネーズと香草とともにサンドした贅沢な一品。

その他のメニューはリンク参照。※レストランのみの利用可、ドリンクのみのオーダーはテイクアウト。 Bahrain Pavilion Cafe
作成者: Hiromitsu Morimoto