
EXPO2025 フランスパビリオン
フランス館「Theatrum Naturae(自然劇場)」は人間と自然の調和をテーマに、フランスの文化と自然観を表現したパビリオン。
設計はフランスのコルデフィと、イタリアのカルロ・ラッティ・アソシエイツ。
四角いボックスが大きく口を開けたようなファサードに、ピンクがかった銅製の階段が設置され劇場のような雰囲気を醸し出す。銅の反射によって、太陽光や訪問者の動きを建築に取り込む動的なデザイン。パビリオンの入口は、この象徴的な階段を上がった先にある。
ファサード両側には、風に揺れる軽やかな張力膜構造(テキスタイルファサード)が採用され、劇場の幕のように環境と呼応する。




フランス館最大の見どころは、メインパートナーとして協賛するLVMHの高級ブランド「ルイ・ヴィトン」、「ディオール」、「セリーヌ」(4月13日~5月11日)、「ショーメ」(9月1日~10月13日)の特別展示。
ルイ・ヴィトンの84個のトランクで埋め尽くされた没入空間や、白いモノグラムのトランクを直径6.6m重さ13トンの球体に組み、自然と宇宙をテーマにした映像が投影される「トランクのスフィア」を展開。ディオールは、トワルが壁一面に並ぶ純白の空間をつくり出し、ファッションを芸術へと昇華させた世界的なデザイナーの世界観へ誘う。
さらに、ノートルダム大聖堂を見守るキマイラ像や、屋上庭園にある樹齢千年を超えるのオリーブの樹など、同国の特別なアイテムがふんだんに持ち込まれている。








フランス館は展示室が多く、独自の世界観を存分に体感できる万博屈指のパビリオン。隣のアメリカ館と同様に連日長蛇の列ができるが、展示スペースが広いため列の進みは比較的早め。係員に待ち時間を確認し、予定が合えば並んでみるのもいいだろう。万博に来た実感を得られる、おすすめのパビリオン。

作成者: Hiromitsu Morimoto