
EXPO2025 シャインハット/伊東豊雄
EXPO Hall Shaining Hat - Toyo Ito
大阪・関西万博の催事のメイン会場として建設されたEXPOホール。愛称「シャインハット」。
開閉会式をはじめ、音楽・演劇・芸能等の様々なイベントが会期を通して開催される。
建物は巨大な円錐に黄金の円形屋根が乗っかるシンプルなフォルムに壁は粗い吹付けと、1970年大阪万博のシンボル「太陽の塔(岡本太郎作)」と共通した仕上げを採用し、過去に遡ることで普遍的な象徴性を求めた。



万博記念公園に残る「太陽の塔」と初代「黄金の顔」:シャインハット正面。
ホールは客席と舞台が一体となったワンスロープの円形劇場。
壁面は厚手の布をくねらせた白いカーテンで覆い、外側の屋根と繋がりを感じる金色の天井と白い床の全周にわたってプロジェクションマッピングを展開できる。


金色の天井と白の空間。カーテンのデザインはテキスタイルデザイナー安東陽子氏。

ホール外周の通路もカーテンで覆われた白の空間。
伊東豊雄氏は「未来的な建築は曲線的で複雑なフォルムになりがちだが、原初的な建築こそが説得力を持つ」との意図からこのプランを提示した。
実際にはその原初的な建築そのものを活かす試みより、内外ともにシンプルなキャンバスとして活用されている。
会場に足を踏み入れたときの白と黄金のミニマルな空間は唯一無二の清麗さを感じた。建築そのままの輝きを活かした取り組みを見てみたくなる。

毎日19:30と20:15、外壁にプロジェクションマッピングが投影される。
PAGE INFO
公開日: 2025/5/26
撮影: 2025/5 | 2025/4 | 2011/4
作成者: Hiromitsu Morimoto