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丼池繊維会館

Dobuike Seni Kaikan
Dobuike Seni Kaikan 1922 Historical Architecture
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外観: 竣工時には建物南西角のアール部分がメインエントランスだった。
大阪・船場の丼池(どぶいけ)筋に建つ丼池繊維会館。
大正11年、愛国貯蓄銀行の店舗として建設され、竣工94年目となる2016年春、当時の装いを再現しつつ、建物が辿ってきた歴史の痕跡を残しながらリノベーションされた。
サイディングで覆われ、ありきたりな古いテナントビルにしか見えなかった建物を、歴史ある建築物として甦らせた、大阪で一番新しい近代建築。

建物内部は、梁の装飾や素地の良さを活かした手を加えすぎない仕上げが施されており、他の建物に使用されていた什器を再利用した家具や木製の建具が映える。

新旧が融合した共有部
3階にはプロダクト・空間デザインで国内外で活躍するデザイナー、柳原照弘氏のギャラリーが入居する。

丼池会館の再生プロジェクトには、時代とともに街に埋もれてしまった価値ある建築物を見出し、服飾雑貨のお店が集積する丼池にクリエーターやデザイナーが集い、アパレルを中心としたものづくりショップやアトリエ、ギャラリーを呼び込むことで、地域の活性化を促すという思いがこめられている。

一度はこの建物を埋もれさせてしまった街にとって、活気のあった時代を知るこの大正時代の古い建物が新しい要素として受け止められ、大いに刺激になりそうな予感を感じられることがとても面白い。

PAGE INFO
公開日: 2016/5/7 撮影: 2016/3

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