木の歯科(てらむら歯科)/平沼孝啓

Timber Dentistry 2014 / Kohki Hiranuma Contemporary Architecture
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大正時代に住宅博覧会が開催された大阪・箕面の閑静な住宅地に建つ木造の歯科医院。

白石灰モルタルの引き締まった白と、大きなガラス面を持つ待合室へと繋がる天然木を用いた板張りによるツートーンの構成が目を引く。

模型: 変形切妻屋根とキャンティレバー奥の平屋部分を確認できる
東側の最大で2.7メートルせり出したキャンティレバー部の付け根にある壁面内部は階段室になっており、エントランス側の角はガラス面がL字に回り込んでいるが、キャンティレバー部の延長線上奥の平屋部分に梁を連続させることでこのデザインを木造で実現させた。

外部からうかがい知る事は出来ないが待合室は吹き抜けになっており、三次元曲面の変形切妻屋根を形成する木造トラスのフレームワークが露出している。
天然木の壁材も手伝って木質化された屋内と、大きな開口部から眺める植栽、その向こうに街路樹の緑を見ることの出来る待合室は、省スペースながらゆとりを感じられそうな空間。
弧を描くように収まるガラス窓がエントランス部でL字に回り込みキャンティレバー部のくぼみへとゆるやかに繋がる
外部から木質化された室内を垣間見ることの出来る待合室
明かりの灯る夜にはキャンティレバー下の天然木が施された壁面との連続性が高まり、外観として映し出される
大正11年に開催された住宅改造博覧会の出品住宅が今も残る界隈(2014年現在、25戸中7戸が現存)
隣接する建物との調和を図った切妻屋根の意義は、白壁の外観に大きなガラス窓が設置された非常にモダンな印象によってほとんど読み取れなかったが、市街化が進み失われつつある歴史的な住宅地の一角で、凛とした雰囲気を纏ったこの建築がその楔となるような存在感を感じることは出来た。
PAGE INFO
公開日: 2014/12/12 撮影: 2014/12

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