EXPO2025 休憩所3/山田紗子
Resting area 3 - Suzuko Yamada
静けさの森に隣接する彩り豊かな小さな建築群。飲食スペースをはじめ、トイレや情報機能、機械室、応急手当室を併設する。
設計は山田紗子建築設計事務所。
静けさの森の木々の側に建つカラフルな建築。
暗い森の先にライトアップされた建築が浮かび上がる。
建築は複数の棟の間に生まれる半屋外の連続空間を主役に据える。柱を幹、上部フレームを枝に見立てた木造+鉄骨の混構造は、日差しを遮り通風を生む。テーブルや椅子は点在配置とし、短時間の休息から軽食、待ち合わせまで用途を限定しない。各棟の仕上げや色調は抑制的だが、サインや自販機、近接施設をも巻き込む「色と形の流れ」を計画上のモチーフとし、建築の輪郭がランドスケープへと滲むことを意図している。
分棟化により動線は自然に分散し、混雑時でも局所的な滞留が緩和される。森の小径へと連続する舗装や陰影のグラデーションは、内外の境界を曖昧にし、回遊と休息を反復させるリズムをつくる。
動線上のピクトグラムや色彩は過剰な主張を避けつつ視認性を確保し、訪問者を自然と日陰やベンチへ導く。
小さな建物が連続する敷地内。ピクトグラムやサイン、テーブル・イス、自販機や植栽が建築の一部となり、周囲の環境に溶け込む。
休憩所3は、建築を「囲う殻」ではなく「間」を生む装置として扱い、森のスケールに対話的に応答した。万博の雑多なエネルギーの中に、ほんの少し足を止め、視線と呼吸を整えるための的確なインフラだった。
PAGE INFO
公開日: 2025/10/29
撮影: 2025/5,6,8,9,10
作成者: Hiromitsu Morimoto
























































