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FLORENTIJN HOFMAN Studio Florentijn Hofman

フロレンティン・ホフマン

イベント情報
フロレンティン・ホフマン氏の個展「MORE Yellow」 開催
会期 2023年​6月16日(金)~7月15日(土)
会場 ホワイトストーン・ギャラリー銀座新館
詳しくは公式HPをご確認ください。

周囲の風景も取り込む巨大パブリックアートの第一人者

オランダ・デルフゼイル出身、1977年生まれのアーティスト。
多くの作品が、おもちゃのスケールを変更したような非常に巨大な造形物で、世界中の公共の場所に展示されている。
ウサギやサル、クマなどの実在する動物をモチーフにした作品が多く、それらを通じて人々の心に人生の中の楽しい時間を提供し、日々の忙しい生活の中で子供の頃に帰ったような気持ちで過ごせる空間を数多く生み出している。

2009年にオランダ・ハーグで開催された個展 'DUSHI'では巨大な作品や構想がスケールを抑えたぬいぐるみとなって展示された。
作品の中には、ホフマン氏自身が子供の頃から親しんだぬいぐるみやおもちゃからイマジネーションを受けて製作したものも多く、最も好きだったというウサギのおもちゃからヒントを得た「Zeka Riki」や、TOLO社から販売されているバスダックを巨大化した「ラバーダック」などを発表。

街のスケールを狂わせるような大きな作品は、単に巨大な造形物を設置しただけではなく、周囲の風景も作品の一部であるかのように取り込まれ、それを見ている自分達もおもちゃ箱の中に迷い込んだような感覚を与えてくれる。
なかでも、公共の河川をバスタブに見立て、巨大なアヒルのおもちゃを浮かべる「ラバーダック」はホフマン氏の代表作となり、2007年に製作されて以降、世界中で人気を博している。

2009年大阪に登場したラバーダックとベオグラードの巨大ウサギ「Zeka Riki」
ホフマン氏は、作品が形として残ることより人々の心の中にいつまでも生き続けることを望んでいるため、多くのアートが短期間の展示ののち撤収、または解体されており、常時見られる作品は非常に少ない。

作品に込められたメッセージは、愛らしいキャラクターと周囲の風景も取り込んでしまう独特な魅力を通じ、見る人の心に自然に届いていく。

主な作品

PETS
Amsterdam [Netherlands] 2016
アムステルダム・スキポール空港(schiphol airport)に設置された子犬と子猫のオブジェ「ペッツ」。
表面はカーペットに利用される繊維素材で出来ていて、ソファやベッドのようにくつろぐことも出来る。
Floating Fish
Wuzhen [China] 2016 | 15 x 7m
中国・烏鎮で開催された国際アート展「Art Wuzhen(アート烏鎮)」に出展された「フローティング・フィッシュ」。
ホフマン氏がこの地を初めて訪れた際に、雨の降りしきる水郷の風景に感銘を受けたことや、鯉の養殖に勤しむ文化、中国の伝説の生き物である竜などをモチーフに製作された。
魚の鱗は大量のビート板を使用して表現されている。
Miffy Ducky
Amsterdam [Netherlands] 2015
オランダ生まれのキャラクター「ミッフィー」の生誕60周年を記念して企画された、世界中のアーティストとのコラボレーション。
フロレンティン・ホフマン氏はミッフィーと代表作ラバーダックを合わせた「ミッフィー x ダッキー」を製作。
Hippopothames
London [United Kingdom] 2014 | 5 x 9 x 22m
イギリス・ロンドンのテムズ川に係留された木造のカバ「ヒポポテムズ」。
"ヒポポタマス"(カバ)とテムズを掛けて名づけられた。
側面にはハッチがあり中に入ることもできる。
ホフマン氏は、ラバーダックの人気により水上のアートを作ることが難しくなってしまったため、ヒポポテムズが水上の作品としては最後になるだろうと語っている。
Moon Rabbit
Taoyuan [Taiwan] 2014 | 23.5m
台湾・桃園で開催された「桃園ランドアートフェスティバル(Taoyuan Land Art Festival)」に出品された体長約25.3メートルの白い兎「月兔」。
12,000枚以上のポリエチレン製の不織布を貼り合わせてできた毛皮が風にたなびく。
芝の上で日光浴をするように寝転がる愛らしい姿を一目見ようと、期間中は長蛇の列ができる人気ぶりだったが、展示後の解体作業中に発生した火事により消失してしまった。
Zeka Riki (Ricky Rabbit)
Beograda [Serbia] 2014 | 14m
セルビア・ベオグラードで開催された「MAD in Belgrade」に登場した体長14メートルのゴム製ウサギ「バニーリッキー」。
ホフマン氏が子供の頃に親しんだおもちゃをオマージュして製作された。
Smoking Bear
Beograda [Serbia] 2014
こちらもベオグラードに登場したタバコを吸うクマ。(写真はオランダ/Twente Biennale 2015開催時のもの)
Pink Kitten
Shanghai [China] 2014 | 10m
中国・上海で開催された「上海デザインウィーク(Shanghai Design Week)」に登場したピンクの子猫。
上海復興公園に住む野良猫からインスピレーションを得て、竹を編んで製作された。
強烈な色彩は、豊かなセンチュリーパークの緑とのコントラストを意識して決定された。
Zagarayuschiy Zayats
St. Petersburg [Russia] 2013 | 15 x 8 x 2.5m
ロシア・サンクトペテルブルグのペトロパヴロフスク要塞の近くで日光浴する木製のウサギ。
2013年はロシアにおける「オランダの年」となっており、さまざまな文化行事が開かれホフマン氏の作品もその一環として登場した。
Feestaardvarken (Partyaardvark)
Arnhem [Netherlands] 2013 | 30 x 9.5 x 10m
オランダ・アーネムに設置された金色のパーティ帽をかぶったツチブタ。
ブルガー動物園100周年を記念して製作された。
子供たちがよじ登ったりすることもできる全長30メートルを超えるコンクリート製の遊具でもある。
2 Blue Sparrows
Werchter [belgium] 2013 | 0.7 x 0.525m
ベルギー・ウェルフテルで開催された音楽フェス「Rock Werchter 2013」に設置された2羽の青いスズメ。
夜間はスズメをスクリーンにプロジェクションマッピングが行われた。

Mosca Muerta
Queretaro [Mexico] 2012 | 0.7 x 0.55 x 0.6m
メキシコ・ケレタロで開催された「cutout fest 2012」で展示された死んだハエのインスタレーション。
日本で言うところのお盆を陽気に祝福するスタイルの、ラテンアメリカの"死者の日"を再解釈したアート。
Slow Slugs
Angers [France] 2012 | 18 x 7.5 x 5m
フランス・アンジェで開催された文化イベント「Accroche Coeurs 2012」に登場した2匹の巨大ナメクジ。
金属フレームに取り付けられた計40,000ものビニール袋を風にたなびかせながら、サンモーリス大聖堂に続く階段をゆっくり侵攻していくように設置されている。
Mickey the Pig
Strasbourg [France] 2012 | 75 x 55 x 45cm
ミッキーマウスのような耳を持つピンクのブタ「ミッキー・ザ・ピッグ」。
写真は2015年、オランダ・アルクマールに登場した際のもの。
Little Factory
Drachten [Netherlands] 2012 | 5 x 12 x 14m
オランダ・ドラハデンに建設されたリトルファクトリー。アイコンのようなイラスト的要素をそのまま実体化させたユニークな建物で、内部はアーティストのスタジオとして使用することができる。
Kobe Frog
Kobe, [Japan] 2011 | 10 x 12 x 14m
兵庫県立美術館の屋根の上に登場したパーティー帽をかぶった10メートルのカエル。
美術館の"美"と復興を連想させる"かえる"をかけて「美かえる」と名づけられた。
Stor Gul Kanin
Orebro [Sweden] 2011 | 13 x 16 x 16m
スウェーデン・エレブルーで開催された「openART biennale」に登場した黄色いウサギ。
15世紀にスウェーデンで起こったクーデターの指導者エンゲルブレクトの銅像に、ひっくり返った状態でお尻からもたれ掛かっている。
街のアイコンとして大人気となり、市民によるウサギを保存するキャンペーンも行われたが、残念ながら成功にはいたらなかった。
Steelman
Amsterdam [Netherlands] 2011 | 6 x 5 x 11m
小脇に枕を抱えて佇むクマ。
アムステルダム・ニーウウエスト地区の、新しい住宅地と高齢者のための集合住宅とともに整備された公園に、常設展示されている。
Lookout Rabbit
Nijmegen [Netherlands] 2011 | 6 x 7 x 12m
高さ12メートルのウサギの見張り台。
12,000枚の木の板と36,000本のネジを使って製作された。 内部に作られた階段を登り、赤い目の部分から辺りが見渡せるようになっている。
Macaco Gordo (Fat Monkey)
Sao Paulo [Brazil] 2010 | 5 x 4 x 15m
ブラジル・サンパウロの国際的なアートとデザインのイベント「Pixel Show 2010」で開催された、ボランティアや市民の手を借りて作品を制作する参加型のショー。
膨らまされたゴム製のサル「ファットモンキー」に数千ものビーチサンダルをまとわせた。
5 paper boats
Rotterdam [Netherlands] 2010
オランダ・ロッテルダムのマース川沿いに設置された色とりどりの薄っぺらいボート。
ボートの中には子供たちが入ることもできる。
Michael Moore
Utrecht [Netherlands] 2009 | 16 x 8 x 5m
オランダ・ユトレヒトで開催された「Festival a/d Werf」に登場した野球帽をかぶった小太りのペンギン「マイケル・ムーア」。
Pig juggeling with Strawberries
Veghel [Netherlands] 2010 | 10 x 10m
オランダ・ウェフヘルの田園に設置された、トタン板や木材で作られたイチゴをジャグリングするブタ。
おなかの部分が開閉式になっていて、お店のカウンターとして利用することが出来る。
Solo show 'Dushi'
The Hague [Netherlands] 2009
2009年にオランダ・デン・ハーグで開かれたフロレンティン・ホフマン氏の個展。
彼の巨大な作品や構想がスケールを抑えたぬいぐるみとなって展示された。ほとんどのぬいぐるみが完全に脱力している。
2 Treehouses
The Hague [Netherlands] 2009 | 8 x 5m
オランダ・デン・ハーグの小学校に設置された小さな木造ツリーハウス。
Rotting Fruit and Wasps
Rotterdam [Netherlands] 2009
腐っていく果物にスズメバチが群がる様子をあらわしたパネルアート。
Zirkus Zeppelin
Rotterdam [Netherlands] 2007 - 2008
Caniches
Sittard [Netherlands] 2008 | 6 x 6 x 3m
ポリ塩化ビニルで製作された黒いプードル。
(写真はTwente biennale 2015開催時のもの)
Rubber Duck
2007
世界を旅する黄色い子アヒル「ラバーダック」はホフマン氏の代名詞となる作品。
ヨーロッパ、南米、アジア、オセアニア、中東、北米と世界中の地域をめぐっている。
それぞれの国で製作され、最大のものになると高さ30メートルを超える巨大アート。
Black Crow
Rotterdam [Netherlands] 2005 | 6 x 5 x 6m
オランダ各地に出現する金属板でできた黒いカラス。
Rabbit Candybottle
2005 | 6 x 4 x 12m
2005年からさまざまな場所に出没するキャンディー・ボトルを抱えたウサギ。
Beukelsblauw
Rotterdam [Netherlands] 2004-2006 | 115 x 15m
20世紀初頭に建てられたビルを青一色にペイント。
この敷地に新しい計画がない限り、青いペイントを施したまま建ち続けるという主張を持ったプロジェクト。
打ち捨てられた建物をアート作品として改装することで、人々に街を再認識してもらうために計画された。
そして、改装から2年後の2006年に取り壊された。
Coolingtower Kernwasser Wunderland
Kalkar [Germany] 2002
ホフマン氏が学生時代に友人ら数人と手がけた壁画。
反対運動などにより一度も稼動することなく閉鎖した、ドイツのカルカー原子力発電所の跡地を利用した遊園地にあり、絵画が描かれたのはクライミングウォールに転用された冷却塔の外壁。その他にも中央制御室がレストラン、消防隊室がボウリング場、原子炉建屋がホテルに改装され、未使用の原子炉は原子炉内探検ツアーが体験できる、ドイツにおける原発撤廃政策の象徴的な施設。
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