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EXPO2025 休憩所2/工藤浩平

Resting area 2 - Kohei Kudo
Resting area 2 2025 - Kohei Kudo EXPO2025
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休憩所2は、大屋根リング西側外周に設けられた施設群。
屋内休憩所や案内所、トイレ、応急手当所、警備センター、バス停留所など7棟の建屋と750個の石が吊るされたパーゴラで構成される。

大きな花こう岩に穴を開け、ケーブルを通して、ネックレスのように吊り上げる。頭上に巨大な石が連なるという計画を初めて聞いたときは、そこを好んで通ったりベンチでくつろいだりすることに少なからず抵抗があったが、実際に訪れてみると不安や圧迫感はまったく感じなかった。石がつくるユニークな陰の下は、多くの人々が思い思いに休息する空間になっている。

とはいえ、石という自然素材を使用する以上、どれほど綿密な構造・強度計算や多くの実証実験を重ねても、割れたり欠けたりするリスクを完全にゼロにすることはできない。そこで、石の下に張られた安全ネットなど幾重もの落下防止策が施されており、仮に多数の石が同時に割れるという極めて低い確率の事象が起こらない限り、事故につながる心配はほとんどないだろう。

石がつくり出す陰影。頭上に連続する石の下にはネットが張られており、視覚的な面でも不安感を和らげる効果が大きい。
施設群には複数のキッチンカーも出店し、にぎわいを添えている。さらに、会場内外周バス「e Mover」の西ターミナルから会場へのアクセスルートとなるため、人の往来が絶えない場所となっている。

会期終了後は、江戸時代から続く「築磯(つきいそ)」と呼ばれる魚礁造成の伝統技法をヒントに、使用した石材を大阪湾の海底へと戻し、魚たちの新たな生息空間として再利用する計画。近年、埋立開発で生じた海底の窪地や生態系の変化に対応する取り組みとして、建築資材を「海の資産」として未来に引き継いでいく。

PAGE INFO
公開日: 2025/7/5 撮影: 2025/4,5,6

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