中之島フェスティバルタワー

Festival Tower East 2012 / Nikken Sekkei Contemporary Architecture
+
中之島に竣工した新しい高層ビル、中之島フェスティバルタワー。
高層部は主にオフィステナントのスペースとなり、低・中層部にはレストランをはじめとした商業施設「フェスティバルプラザ」(2012年11月28日オープン)や、フェスティバールホール(2013年4月オープン)が入居する複合ビル。
四ツ橋筋を挟んだ西側にも、2018年をめどに同規模の高層ビル建設が計画されており、中之島に高さ200メートルのツインタワーが完成することになる。

建物の低層部は曲線を描いたコーナー窓や、外壁の色合いなど、同ビル西側の朝日新聞ビルおよび朝日ビルのデザインを引き継ぎ、フェスティバルホールの壁面に設置されていたレリーフも再現された。

建物の上下が切り離されたような中層部は、構造上の重要な役割を果たすとともに、デザイン上のアクセントになっており、緑化された外部や高層部を支える巨大なトラスの一部、そこから伸びる高層部の筒のような柱体の構成が、建物に未来的な印象を与えている。
緑化されたこの位置にはテラスも設けられるなど外部空間が多く、中之島を吹き抜ける風の通り道を確保し、ヒートアイランドを抑制する。
また、堂島川から取水した河川水で熱交換を行い、冷暖房システムに使用、使い終えた水を土佐堀川に放水する取り組みも採用するなど、近年の高層ビルのCO2対策とともに、中州という立地を生かした取り組みがなされている。

構造面では、座席数2,700席を誇るフェスティバルホール(4~8階)の大空間上部に、センターコアの超高層オフィスを積み上げるため、13階床から15階床までの高さ約20メートルの巨大トラスを設置。高層部の荷重を外周部の柱に流し、ホール直上(9~12階)に中間層免震構造を採用した。

朝日新聞社は蔵屋敷を改造した木造社屋から、大正5年、当時まだ珍しかった、鉄骨鉄筋コンクリート造の新社屋を建設。
顧問に武田五一氏を迎え、「聴竹居」の藤井厚二氏が設計を担当した建物の高さ30メートルの時計塔は、木造の低い建物がほとんどだった当時、センセーショナルに受け止められたそうだ。
そのビルが建替えられたのが現在の朝日新聞ビルであり、日本におけるDOCOMOMO100選(現150選)に選ばれた、昭和6年竣工の朝日ビルと合わせて、ツインタワー2棟目となる西側の高層ビルへと生まれ変わることになっている。
手前解体現場がこのビルの敷地 奥に朝日ビル
解体された旧フェスティバルホール

緑化された中層部のテラス
高層部を支える巨大なトラスの一部を見ることの出来るスカイテラスは一般開放されている
中之島フェスティバルタワーの以前に建っていた新朝日ビル・フェスティバルホールを含め、常にその時代をリードする名建築を中之島に生み出してきた同社の新しい顔となるタワーは、高い技術と先進の環境対策が施された建築だが、高層ビルひしめく今の中之島にあって、高層ツインタワーというランドマーク的なインパクトが過去の建築に勝るものなのか、プロジェクトの進行を見守りたい。
PAGE INFO
公開日: 2012/10/30 撮影: 2012/12 | 2012/10

作成者: